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2月1日(火)第87回「ほほえみ交流カフェ」が開催された。

2022.02.18荏田南地区

2月1日(火)第87回「ほほえみ交流カフェ」が開催された。
コロナウイルス・オミクロン株の感染が猛威を振るう中ではあるが、交流の場を閉じることは極力避けたいとの方針で、会場スタッフを最低限に絞り込み、プログラム内容も大きく縮小しての開催となった。
当日の講演内容への関心の高さもあってか、シニアの参加者は、いつもと変わらぬ数となった。

参加者
会場:シニア 17名 / スタッフ 3名
講師(横浜新都市脳神経外科病院)4名
ZOOM:シニア 1名 /スタッフ 3名
葛が谷薬局 1名
葛が谷地域ケアプラザ 1名
計 30名

冒頭の挨拶では、シニアから「ワクチンの3回目接種券が届き、予約もできた」との紹介も。

横浜新都市脳外科病院からは、多忙な業務の合間を縫って、医師、看護師に加え、地域医療連携室からも参加をいただいた。
メインスピーカーは認知症認定医の水口先生。

まず、「認知症」と単なる「物忘れ」の差って? 判り易い例として、
・ご飯になにを食べたか思い出せないが、ヒントがあると思い出すのが、「物忘れ」
・ご飯を食べたこと自体を忘れるのが「認知症」

認知症になると、
日常的な行動が上手く出来なくなる ⇒ それを何とかしようとする ⇒ 他人から見ると変なことをしていると映る
とのことで、本人は懸命にもがいているのです。

認知症は大きく分けて4種類
・最も多いアルツハイマー認知症は高齢になると誰もが発症する可能性があるそうです。
・レビー小体型認知症はパーキンソン症状が特徴的で、歩行困難やレム睡眠行動障害(夢を見て身体が動く、寝言が多い)を伴う。 そこにないものが、現実感を伴って見えると訴える患者も。 また日によって症状に強弱のムラがあることが多い。

この二つの認知症は、脳内に異常たんぱく質が蓄積し、脳神経を阻害することで発症するが、現段階では有効性が完全に検証されている治療薬はなく、進行を遅らせるための投薬治療が行われている。

脳内に異常たんぱく質がたまり始めてから認知症発症まで20~30年といわれており、早めに兆候を発見して、投薬を開始したり、より積極的に社会活動を続けることにより、症状悪化を遅らせ、日常生活を継続することが可能。

一方で、症例は多くはないものの、
・前頭・側頭葉型認知症では、人格や行動の変化が生じたり(例として、「平気でものを投げ捨てる」)、言語能力が衰えることも。 このタイプの認知症には、今のところ薬がないそうです。 周囲の理解とサポートが欠かせないということです。

対して、
・血管性認知症は生活習慣病を予防することで、原因である脳梗塞なとの発症を防げば、罹患しないことになる。

講演を聴いたシニアの皆さんからは、質問や感想が多く出された。
・夫が脳梗塞を患い、物忘れがひどくなった。家に閉じこもりがちとなり、TVを見ている
⇒ TVは刺激があるように思えるが、双方向コミュニケーションにならない。
デイサービスなどを利用して、他人と関わることが重要なのだが、男性は苦手な人が多い
⇒ 本人の意向・希望を尊重することが大事 ⇒ TV番組を話題に会話を試みては。
・独居男性からは、人と接する機会を増やしたいが、コロナ禍で難しい
⇒ 電話での会話でも良いので、他人と話す機会を持つこと。 コロナの中ではあるが、身体を動かすことが、筋力維持には絶対必要
・認知症は遺伝しますか
⇒ アルツハイマー型、レビー小体型の遺伝性については、研究が進んでいない。
異常たんぱく質は血液検査で検出可能ですが、必ず発症するわけではありません。
予防のために、何をするかが重要です。 心配して落ち込んでいたら、それこそ認知症になりますよ。
一方で、血管性認知症の原因の一つである、クモ膜下出血には遺伝性が確認されているそうです。
・認知症と外的な症状が似ているものに鬱病があります。
治療法が全く異なりますで、専門医の診断が必要ですが、視線を合わせて話すことが出来ない場合は、鬱病の可能性があるそうです

貴重なお話有難うございました。

講演の後は、いつもなら、お茶とお喋りの時間ですが、今回は割愛して、ヨガ体操で身体をほぐし、最後は「ふれあい丘の街」を歌ってお開きとしました。

次回は、コロナの状況次第ではありますが、3月1日の予定です。